2019年11月25日早朝。
関東の広い範囲で朝霧が発生しましたね。ココ鎌倉でも同様に濃い霧に包まれました。
濃い霧に包まれた古都鎌倉なんて、そう簡単に拝めるものじゃありません。
今回は朝ランに出かけたものの、出発時間が遅れてしまって幽玄美は見れませんでした(涙)
翌朝は霧になる可能性がありそうだと前夜から分かっていたら早出して見れたかも!
という訳で、今回は霧が発生する仕組みを、ちょっと勉強してみました。
霧が発生する仕組み
霧っていうのは地上付近で出来る「雲」のこと。
つまり、水蒸気を多く含んだ空気が冷やされて、気体から液体(小さい水滴)になり地上付近で雲ができる状態になること。
これでなるほどーと思っても、細かいところまで正しく理解している人は多くないですよね。
自分は「何となく理解している」っていう状況が好きではないので、とことん突っ込んでみたいと思います(笑)
整理すると、
1:水蒸気を多く含んだ空気が存在する事
2:上記1の空気が冷やされる事(放射冷却)
3:風が弱く冷たい空気が上空に撹拌されない事
です。難しいところを解説していきましょー。
放射冷却って?
「放射冷却(ほうしゃれいきゃく)」冬の天気予報で良く出てくる言葉です。
放射冷却とは、高温の物体が熱を外に放射(放出)して冷える現象 のことを言います。
日常生活で考えると、
・暖かいご飯が、放っておくと冷めていく
・温めたお風呂のお湯が、翌日には冷めている
こんな感じです。あーなるほど。
これを天気の世界で考えると、ご飯やお風呂が「地面」になります。
何もしなくても時間が経てば、昼間太陽で温められた地面は、夜間に熱が逃げて(放射冷却)どんどん冷えて行くんですね。
で、もう一つ大切なのが、その時(夜間)の天気。
・浴槽に蓋をすると冷めるスピードが遅くなる
のと同じで、上空が曇っていると放射した熱が雲で反射して地面に戻ってきて、熱が逃げ切らない。
だから、地表に戻れないように、宇宙まで熱が逃げ続けてくれるような、快晴だったら良いんですよね。
冷たい空気は重いの?
結論は、空気の温度が変化しても空気自体の重さは変わりません。
なんじゃそりゃー。
って感じですけど、変わるものもあって、それが「体積」です。
空気の体積は、冷たいと小さくなって、暖かいと大きくなります。
でも重さが変わらないので、密度(同じ体積当たりの重さ)が変わってきちゃいますね。
密度が大きい鉄球と密度が小さいスポンジを水に入れてみます。
・鉄球は水に沈む(密度大)
・スポンジは水に浮く(密度小)
これは、イメージできますね。
空気で言い換えると
・冷たい空気=水に沈む鉄球(密度大)
・暖かい空気=水に浮かぶスポンジ(密度小)
な訳です。
冷たい空気は、暖かい空気を押しのけて下に沈むんですね。
だから放射冷却で地面が冷たくなると、冷やされた冷たい空気が暖かい空気をどかしてどんどん下に溜まってきます。
で、地表近くの空気が湿っていたら、水分が空気に溶けてられなくなって、水滴として出てきちゃうという訳。
問題は風ですね。
風が強いと下に沈んでた冷たい空気と上空の暖かい空気が撹拌されてしまいます。
暖かい空気が地表近くに来ちゃうと、水蒸気をたくさん取り込める状態になるので、霧が発生しずらくなります。
霧が発生しやすいシーズン
上記のようなことから、春は霧が発生しやすいシーズン。
なぜなら、
1.冬から春にかけて次第に湿度が高くなってくるから。(冬は乾燥するって言うよね)
2.でも、朝晩はまだ冷え込むことが多い。
3.また、移動性高気圧に覆われて風が弱い日も多い。
ということらしいです。
今回は晩秋の朝霧だったけど、条件に合致したら春以外でも全然あるということかな。
朝霧発生の前日からの天気
という訳で、霧が発生した11月25日、前日の11月24日の両方の天気(横浜)を見てみましょう。
仮定が正しいかどうか分かりませんが・・。
1.湿度が高い空気がある。
→11月24日の早朝は雨が降って湿度が高くその状態が日中継続。
2.翌朝にかけて、放射冷却で地面の空気が冷やされた。
→24日夜に19.3℃(22時時点)あった気温が、翌朝6時には15.1℃へ(-4.2℃)
→25日夜中の天気は快晴。
3.風が弱く冷たい空気が撹拌されない。
→風速は25日の5時時点で1.7m/s
でも疑問は出てきますね。
・気温が-4.2℃下がったくらいで冷やされたことになる?
・風速1.7m/sくらいだと撹拌されないの?
・他にも何か要因があるんじゃないの?
今回だけでデータではなんとも言えないので、次回発生したらまた数値を見て考えたいと思います。
霧のアイコンと天気記号
気象庁のHPに記載のある天気記号表です。
イメージ、◎って快晴(〇より上位)って感じですけど曇りなんですよね・・・。
しっかり把握しましょう。
ランニングアプリの霧アイコンです。
雲の下に二重線がありますが、これは霧の天気記号が三重の横線から派生してるのかもしれませんね。
なぜ?を理解するには
なぜ?を理解するには、
「日常生活でよく見る現象と結びつけること」が、近道だと思ってます。
この現象はこういうもんだ。と、暗記するんじゃなくて、理屈を知って、把握するようにしましょうね。
そしたら、暗記なんか必要ありませんから。