本堂と金堂ってどう違うの?

本堂と金堂ってどう違うの?

2020-01-23

今回はお寺に行くと真っ先に見る境内案内図。
そこに書いてある伽藍(主要建物群)の名称を調べみました。

寺院の中心的なお堂

寺院の中心的なお堂とは本尊を安置する建物のことで、下記のように言い方は様々みたいです。

金堂(こんどう)

飛鳥時代から平安時代の前半っていう、かなり昔のお寺で使われている名称のようですね。
仏教が日本に広まる初期の頃、中国や朝鮮から渡ってきた中心伽藍を金堂と思ってもいいかも。

飛鳥寺(金堂)

奈良県にあるお寺の中心お堂は「金堂」と呼ぶことが多そうです。
興福寺も「中金堂」とか言いますしね。

本堂(ほんどう)

宗派に関わらず、おもに平安時代の前半以降のお寺で使われる名称。
金堂が大陸から渡ってきたとすると、本堂は日本で発展した寺院に使われると考えてもよさそうです。

鎌倉にあるお寺は、時代も進んですから本堂がほとんどで、金堂なんて皆無じゃないでしょうか。

安国論寺(本堂)

中堂(ちゅうどう)

天台宗の寺院では根本中堂なんて呼び方をしてます。延暦寺がそうですね。

仏殿(ぶつでん)

禅宗寺院では仏殿と呼ぶことが多いみたいです。建長寺がそうですね。

建長寺(仏殿)

主要なお堂が二つ?

基本的にお寺にはご本尊が一体なので、金堂か本堂かどっちかだと思うのですが、境内に両方建っているお寺がありますね。

この手のお寺は金堂がまずあるので、昔の寺院が多い奈良県にあります。

當麻寺

當麻寺には「金堂」と「本堂」があります。
奈良時代に建てられた當麻寺、創建当時のご本尊「弥勒菩薩」は「金堂」にいらっしゃいます。

當麻寺(金堂&本堂)

普通のお寺はそのまま時代を経るのですが、當麻寺はあの中将姫伝説がやってきます。

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そして当麻曼荼羅のあった曼荼羅堂が「本堂」と呼ぶようになったんですね。

もう一つのお寺は室生寺です。

これも奈良県にある昔のお寺ですね。
信仰の対象が変わったりすると「金堂」「本堂」と共存することがあるんですね。

勉強になります。