信州の鎌倉(塩田平周辺)
別所温泉の北向観音をお参りした後に、周辺を散策して、いろんな鎌倉繋がりを見つけてきました。
別所温泉にある安楽寺でまさかの三つ鱗。ここら辺は塩田とも言って、塩田流北条氏が治めてたとか。
— kago@鎌倉 (@KagolaboJp) November 13, 2020
塩田流は北条重時(義時3男)の5男義政が祖。
またえらい鎌倉繋がりを見つけてしまった😅#鎌倉 #塩田 #北条氏 pic.twitter.com/TppbchLqAC
塩田北条氏
・北条義政(祖)
1243-1282年。鎌倉幕府の第6代連署。執権は北条時宗。
鎌倉時代の北条氏一門。北条重時(2代執権北条義時の3男)を祖とする極楽寺流北条氏の一支流。
北条義政は北条重時の5男。信濃国塩田荘を領した。
塩田平には、塩田北条氏三代(約60年間)の居城「塩田城」もあった。南北朝からは村上氏の支配へ。
安楽寺
伝承では天平年間(729-749)行基の建立と伝わるが判然としない。
歴史的に裏付けされるのか、下記の臨済宗の僧「樵谷惟仙」が住してから。
鎌倉時代中期には相当の規模を誇った禅寺で、信州学海の中心道場だったよう。鎌倉北条氏の外護もあった。
建長(鎌倉の建長寺)と塩田(安楽寺)とは各々一刹により、或は百余衆 或は五十衆、皆これ聚頭して仏法を学び、禅を学び、道を学ばんことを要す云々。
大覚禅師語録(建長寺開山蘭渓道隆)
安楽寺は、建長寺と同格と記されていることは、なんとなく分かります。
詳しく知りたいのですけど、文献が高いか、出回っていないか・・・・
・樵谷惟仙(しょうこくいせん)
信濃出身の臨済宗の僧。
13世紀半ば(鎌倉時代中期)に宋へ留学し、1246年 建長寺を開山した「蘭渓道隆」と同船帰朝した。

11月中旬、山門手前の道は見事な紅葉で色づいていました。

安楽寺の本堂です。
寺紋は、鎌倉市でよく見かける北条氏の三つ鱗。まさか上田市別所温泉で見られるとは思ってもいませんでした。塩田という地名も今回初めて知りました。
国宝 八角三重塔
鎌倉時代末期(1290年代)に建立された、日本国最古の禅宗様建築。
※ちなみに、鎌倉の円覚寺にある舎利殿は、室町時代中期頃の建築物と推定。
・長野県の国宝
長野県には国宝が10件しかありません。
有名なところでは、善光寺本堂(長野市)、松本城天守(松本市)でしょうか。
最近ハマっている考古学分野では土偶(縄文のビーナス、仮面の女神|ともに茅野市)が2件も。
2020.11.12
国宝 安楽寺 八角三重塔を見るには拝観料が必要になります。大人300円。
本堂だけなら不要です。
訪問した日時は、2020年11月12日。写真にあるように紅葉が奇麗なシーズンでした。


常楽寺
天台宗の寺院。北向観音の本坊。別所温泉駅から約700m。
「信州の学海」と呼ばれた塩田荘で、中核を担う寺院だった。
安楽時の開山「樵谷惟仙」は、16歳までこの常楽寺で天台宗の修行をしたと言われている。
また、1292年、称名寺(金沢文庫)の僧がこの寺で「十不二門心解」という経を書写した。